知育玩具

算数(かず・かたち)

公益財団法人・日本数学検定協会認定 数学コーチャー/幼児さんすうエグゼクティブインストラクター大迫ちあき先生

幼児さんすうエグゼクティブインストラクター
大迫ちあき先生に聞きました

“かず”を学ぶってどういうこと?“かず”は特別じゃない。親子で楽しんで好きになる!

“かず”は目に見えない抽象的なものですが、生活の中にあふれる非常に身近なものです。玩具や身の回りのものを通して“かず”を楽しく理解し、小学校の算数をスムーズにはじめるための秘訣を、大迫ちあき先生に聞きました。

“かず”を体感させて可能性を広げよう

“かず”に特別の意識を持たないで。身の回りにあふれているんですよ。幼児に“かず”を教える時に、数字から入るのはよくありません。量感を理解する前に数字を教えるのはNGです」と大迫先生。量感とは、量や重さや長さや大きさについてのおおよその見当をつけるための感覚のこと。
「積み木1つと3つでは3つの方が多い、リンゴ1個とイチゴ1個ではイチゴの方が小さいなど、数字と量感がイコールで理解できることが重要です。必ず子ども自身の体験や具体的なものなど、目に見えるもので教えてあげてください。それが幼児に“かず”を教える基本です」

“かず”が好きになり得意になると、成長とともにものごとを数字で定量化して捉えられるようになります。
「ものごとを定量化して考えられるようになると、論理的思考力や問題発見・解決力が身につきます。こうした力は小中学校の教育で注力されているプログラムなどにもつながる、将来的にはプレゼンテーション力やコミュニケーション力が高い人間へと成長します
幼児期に“かず”に親しむことは、子どもの人生の選択肢を広げる第一歩となります。

玩具や身近なもので子どもが楽しいを実感!

“かず”を得意にするためには、まずは楽しいと感じさせてあげること。楽しい気持ちがやってみたいへの原動力となります。
「簡単な玩具からはじめて、“できた!”の喜びを感じさせてあげてください。達成感を得ることで、好きになり得意になっていきます

どの年齢でも楽しめる玩具としては、積み木がおすすめです。手と目を使って並べたり比べたりすることで、数字と量感を合わせて理解できるようになります。
「2~3歳のころは積み木やブロックなど手を使って量感を実感できる玩具を、3~4歳くらいでは目で見て“かず”が分かるものを。年長さんになったら時計の玩具など、小学校への準備をするのもいいですね」

玩具とあわせて、大迫先生が推しているのが、どのお家にもあるトランプとカレンダーとサイコロの“かず”の三種の神器です。
「トランプは絵札以外のカードで大きさ比べや神経衰弱を。カレンダーは、『今日は何日?』『日曜日まではあと何日かな?』と話をすれば、数字の順番や規則性が身につきます。サイコロは“かず”の合成や分解など、数字の感覚を養うのにぴったりです。さまざまな遊び方が工夫でき、家族で一緒に楽しめるアイテムとして最適ですね」

入学までに何が必要?焦らず経過を見守って

小学校入学までに“かず”について、どれくらい分かっていれば安心でしょうか?
「3歳までに1と2と3の違いが分かる、4~5歳で10まで、入学までに10のまとまりを理解して、20までの数字が分かるようになるとベスト。算数の授業のスタート時に数字が読め、“1対1対応”と“10のまとまり”が理解できていることが重要です
1対1対応とは、1枚のお皿にケーキを1つずつ載せるなど、1つに1つが対応しているという考え方です。また、10のまとまりは、数字が10ずつまとまっているという感覚のことです。10のまとまりが足し算の繰り上げや、引き算の繰り下がりの基本となります。

幼児期は“かず”の遊びで間違えても全く問題なし!
「この時期の学びで大切なのは、経過です。結果だけを見て褒めたり叱ったりは厳禁です。“かず”を学ぶ時には、必ずママとパパが子どもに寄り添って一緒に楽しんでください」と大迫先生。日常にあふれる“かず”にどんどん触れて親子で一緒に楽しめば、自然と“かず”が大好きな子に育つはずです。

公益財団法人・日本数学検定協会認定 数学コーチャー/幼児さんすうエグゼクティブインストラクター大迫ちあき先生

大迫ちあき先生

(公財)日本数学検定協会認定数学コーチャー&幼児さんすうエグゼクティブインストラクター

「幼児さんすう総合研究所」代表。理数系に強い子どもを育てるスクールを運営しながら、カリキュラム作成・指導者育成も行う。著書『算数ができる子の親がしていること』(PHP 文庫)ほか、『おりがみ百科 5・6・7才 図形力と考える力が身につく!』(世界文化社)の監修や『LaQさんすう』の制作など。
https://www.cmri.co.jp

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