知育玩具

理科(しぜん・かがく)

お茶の水女子大学付属小学校教論田中千尋先生

お茶の水女子大学付属
小学校教論

田中千尋先生に聞きました

科学を学べば探究心がグングン伸びる!ママ&パパも一緒に
身のまわりのものを「科学」しよう

科学を学べば探究心がグングン伸びる!

子どもたちは「科学」という学問を、小学校3年生の「理科」の授業で本格的に学びはじめます。そこで、ママ&パパも知っておきたいのが科学の基本。そもそも何を学ぶの?将来役立つの?そんな科学に関する素朴な疑問を、お茶の水女子大学付属小学校教論の田中千尋先生に聞きました。親子で一緒に楽しめる“科学の遊び”もご紹介します!

科学を学ぶと、周りのものすべてがおもしろく見えてくる!

知っているようで実はあまり知らない科学の世界。子どもたちはどんなことを学んでいくのでしょうか。

「大きく分けて2つあります。1つ目は、身のまわりのものを発見し、認識すること。単なる物質や物体が自分にとって価値のあるおもしろいものだと知ることができます。2つ目は現象。水が氷る、蛇口から出た水が下に流れ落ちていくなど、子どもにとっては不思議なことを探究していきます。自然の形や営みには必ず理由があり、そのことを気付かせてくれるのが科学です」

科学を学ぶと、今まで見すごしていた足元に落ちている木の実や石ころも、探究の材料になります。

子どもの科学的探究心をグングン伸ばす、ママ&パパの接し方

好奇心旺盛な子どもたちは、科学の原動力となる種をたくさん持っています。それを、グングン伸ばしてあげるためには、ママ&パパの接し方が大事です。

子どもたちに質問されたら、一緒に調べる習慣をつけましょう。親も正しい知識が身につくだけではなく、科学を媒体とした親子のコミュニケーションが生まれます。その時、気を付けなければいけないのは情報源が正しいかどうか。ネット検索などで出てくるあやしげな情報は与えない、あまり古い図鑑では調べないことが大事です。子どもには最新の科学、一番正しい知識を与えてあげてください

正しい情報に出合うなら、科学館や博物館に足を運ぶのもおすすめだそう。専門家がいるので、ママ&パパが調べてもわからなかった疑問も解消できます。どんどん質問してみましょう。

「小さいうちから、本物に触れる体験も重要です。観察・実験の結果(観測事実)から学ぶことは、自然科学の基本。実物に触れることでいろいろな気づきが生まれ、子どもたちの興味関心は大きくなります。木の葉や虫など外にはいくらでも材料があるので、興味の赴くままに親子で思いきり遊びましょう!」

身近なもので、自ら調べて発見する体験を

科学の力を伸ばす遊び方には、どのようなものがあるのでしょうか?

「2、3歳は、手が届く範囲すべてに興味をもつ時期なので、公園に座らせるだけでもいろいろなことを吸収します。土、砂、水のある場所で、おもちゃのスコップを用意してあげるのもおすすめです。4歳以降になると、もう少し刺激が必要になってきます。科学館へ行ったり、科学を題材としたTV番組を一緒に見たり、科学玩具で遊ばせてあげるなど、親が科学的な思考力や探究心を引き出すよう心がけると良いでしょう。科学玩具を与える際はあまり対象年齢は気にせず、興味を示したら触らせてあげましょう」

図鑑があれば、調べたものを外で確認して自ら学ぶこともできます。例えば、時計を分解すれば、ものの仕組みを知ることにつながります。小動物を飼って育てることも命の勉強になります。世の中のあらゆるものに価値を見出すことで、その一つひとつが自分にとっても意味がある、かけがえのないものだと知るのです。

「自然科学は、宇宙、生物、恐竜、植物、地球、電気など他の学問と比べて分野がものすごく多岐に渡ります。言わば、科学には入口の扉がたくさんあるということ。つまらなかったら閉めて、別の扉を開ければいいんです。“いかに多くの扉があるか”を、子どもたちに気づかせてあげるのが大人の役割かもしれません。ですから、子どもの好きなことから、探究心を広げていってあげてください。天体望遠鏡で土星の環を見たり、顕微鏡で葉っぱや自分の細胞を見たりすることも、お家にいながら気軽に与えられる経験の1つですね」

お茶の水女子大学付属小学校教論田中千尋先生

田中千尋先生

お茶の水女子大学付属小学校教論

元日本女子大学講師・理科教育担当。日々、子どもたちの好奇心を受け止める授業で、科学的な考え方や見方を広げている。また、新しい発想の水彩画材“水筆ペン”を開発し、誰でも描ける水彩画の技法に関する著書も多い。理科の先生向けメールマガジン「日々の理科」を発信するほか、HP「四季水彩」では、水彩画を毎日更新し、オーロラや浅間山の生中継も行っている。『理科の図鑑』(誠文堂新光社)など監修をした書籍多数。
http://www.suisai.net/

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