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サイエンスコミュニケーター・イラストレーター恐竜くん

サイエンスコミュニケー
ター・イラストレーター

恐竜くんに聞きました

本当はどんな色?どんな形?ぬり絵で恐竜を学ぼう!

子どもたちに大人気の「恐竜」。学問としては新しく、発掘や研究が進むにつれて次々と新たな説が誕生しています。恐竜の専門家でありイラストレーターでもある恐竜くんに、気になる最新の恐竜情報や、子どもたちが自由に創作した「恐竜のぬり絵」を見ていただき、ついつい誰かに話したくなるような豆知識なども教えていただきました。

恐竜の姿形が、どんどん新しくなっている!?

そもそも、恐竜ってどんな生物なのでしょうか。

「約2億3000万年前に誕生し6600万年前に巨大隕石が落ちるまで、恐竜の時代は約1億6400万年続きました。生物としては爬虫類の中の1グループに分類されます。とはいえカメやヘビなどの爬虫類とは異なり、非常に成長が早く活動的でした。恐竜の中には、子育てをする種類もいて、複雑な社会性を持つものもいたと考えられています。最初に誕生した恐竜は、2本の後ろ脚で立って歩く陸上の生物でした。そういう意味でも、今の爬虫類よりも鳥に近い存在だったと言われています。実はスズメなどの鳥類は、恐竜の末裔なんですよ」

1824年に最初の化石が報告され、1842年に「恐竜(ダイノソーリア)」という名称が与えられて学問として確立。実はまだ研究がはじまって200年も経過していない、新しい分野だそう。

現段階で1000~1200種発見されていますが、これはおそらくほんの一部。新種は年間30~50種見つかっています。化石の発掘に伴い新しい学説が出て、恐竜の姿形は日々進化しています。例えば、スピノサウルスは、2014年の化石の発見で2本脚のかっこいい姿ではなく短い4本脚だとわかり、子どもたちをがっかりさせました(笑)。しかし、2020年にしっぽの化石が発見され、再び2本脚に。これから一体どんな発見があるか楽しみですね」

恐竜に毛が生えていたと聞いたことはありますか?真実は一体どうなのでしょうか。

恐竜の体の構造は爬虫類よりも鳥に近く、今では、羽毛は多くの恐竜に共通の特徴だと考えられています。ウロコのような皮膚を持つ恐竜の一部は、進化の過程で羽毛から再びウロコへ戻った可能性が高いようです。ただし、フサフサと羽毛が生えているのは基本的には小さな恐竜。それでも、特徴として飾りや一部分に羽毛が残っていることは十分考えられます。ママ&パパの子どもの頃の常識とは、恐竜全体のイメージが変わってきたかもしれませんね」

恐竜の色はなぜ分かる!?

実際の恐竜はどんな色だったのでしょうか。

恐竜の色は、化石に残った羽毛や皮膚の色素細胞を見て判定します。骨からは色が判定できないため、残念ながらほとんどの恐竜の色は分かっていません。今、実際に色が分かっているのは、わずか10種類ほどの恐竜の体の一部のみなんです。存在が分かっていながらも、まだまだ解明されていない恐竜の色を想像したり、ぬったりするのはワクワクしますね」

ボクたちのぬり絵を恐竜くんに見てもらったよ!

まだまだ解明されていない恐竜の色。子どもたちがそれぞれに想像しながら、自由にぬり絵を楽しんでもらいました。

恐竜の塗り絵を持った子供達
  • ❶ティラノサウルスが草原を走ってるよ!まりあちゃん(4歳)

    まりあちゃん(4歳)

    「ティラノサウルスが草原の上を走っているところだよ。まわりには木も描いたの。ピンクが好きだけど、ティラノサウルスは緑にしたよ」

    「走っているところを想像して、ぬり絵の中にオリジナルのシチュエーションを取り入れたのが素晴らしいね。ティラノサウルスはパワーとスピードの両方の身体能力があった、珍しい進化を遂げた恐竜なんだ。だから体のサイズの割に予想外な速さで走れたと考えられてるよ。恐竜の時代には、シダが生えていたんだ。身を隠すために、体の色を周りの緑と同じ色にしていた可能性は十分考えられるね」

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  • ❷カラフルに描いたよ!りょうくん(5歳)

    りょうくん(5歳)

    「ティラノサウルスはかっこいいから大好き!いろんな色を使ってカラフルにぬったよ。お肉をムシャムシャ食べるんだ」

    「単色で塗るのではなく、まるで構造色を描いたようにたくさんの色を使っているようだね。構造色というのは、カナブンの光沢やメタリックなトカゲの皮膚のように光が複雑に反射してできる色のことを言うんだ。寒色系のグラデーションにしているところが、雰囲気が出てるよ。ティラノサウルスは、トリケラトプスとエドモントサウルスを主食にしていた肉食恐竜で、噛みついて骨ごと丸飲みしていたと考えられているよ。さらに、一口で約200kgぐらいのお肉を食べていたようです」

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  • ❸ピンクにぬって、かわいくしてあげたよ!あかりちゃん(3歳)

    「この子は女の子だよ。ティラノサウルスは本当は緑だけど、かわいくしてあげたいから尻尾はピンクにしたの」

    オスかメスかロジカルに考えて描いているところが良いね。恐竜は鳥と同じで視覚コミュニケーションを重視していたと考えられるんだ。だから、実際の色は分かっていないけれどティラノサウルスにも性別や年齢によって、色や飾りを変えてワンポイントの目印などがあった可能性があるんだ。だから、しっぽをピンクにぬったのは目の付け所がいいね。研究では細部までこだわるのはとても重要なんだ。細かい部分まで丁寧にぬっているのも素晴らしいね」

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  • ❹隣に氷山や空飛ぶ恐竜も描いたよ!まいとくん(4歳)

    「ティラノサウルスを大好きな赤でぬったよ。隣に氷山を描いたよ。空には飛ぶ恐竜もいるんだ!」

    肉食恐竜のイメージを膨らませて、赤で力強く描いてくれたね。歯を白く残して、目立たせたところもなかなか良いね。恐竜がいた環境など、シチュエーションを明確にして余白に絵を描いてくれたのも素晴らしい!ティラノサウルスがいた時代は高温多湿で実は北極にも南極にも氷はなかったんだ。でも、北極圏近くの高い山には雪が積もることもあったかもしれないね。実際、ティラノサウルスは、南は今のメキシコのあたりから北は北極圏近くまでいたと考えられているんだよ」

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色から古生物の恐竜を考えるという発想が良いんです!

「生物のぬり絵や絵を描くというアウトプットの行為は、生物を科学的に知るうえでとても大切です。とはいえ恐竜に関しては、誰も100%の正解が分かりません。想像力を必要とするという意味でも、恐竜は“サイエンス”と“アート”の両方の要素も合わせ持つ珍しい存在なんです。「どんな色にぬろう」「余白に何を描こう」などと頭を働かせることは、恐竜だけではなく生物、自然、歴史など、あらゆることに興味を持つ入口にもなりますよ」

恐竜は、最新の研究でもまだまだ解明されていない珍しい存在。そのため、色や模様、羽毛のありなし、オスorメスなど、どんな風に描いても決して間違いではなく、正解はありません。そんな恐竜をモチーフにしたぬり絵は、誰でも自由な発想で描けるのが魅力です。子どもたちの柔軟な想像力とそれぞれの世界観でぬり絵を楽しんでみませんか。

そして、なんと、今まさに!トイザらス×アニア“ぬりえコンテスト”を開催中です!ぬりえを完成させて、SNSに投稿すると豪華プレゼントがもらえるチャンス!ぜひチャレンジしてみてください♪詳しくは、特設ページへアクセス!

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本文中のイラストはイメージです。

サイエンスコミュニケーター・イラストレーター恐竜くん

恐竜くん

サイエンスコミュニケーター・イラストレーター

6歳の時に恐竜に魅了され、高校時代に単身カナダに留学。恐竜の研究が盛んなアルバータ大学で、古生物学を中心に広くサイエンスを学ぶ。卒業後、「恐竜くん」の活動を開始。恐竜展の企画・監修、トークショーや体験教室の開催、執筆、イラストの制作まで、幅広く手がける。テレビ、ラジオにも多数出演。著書『知識ゼロからの恐竜入門』(幻冬舎)。
https://kyoryukun.com/

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