知育玩具

音楽(リズム)

東京藝術大学(音楽療法)非常勤講師/東京立正短期大学(幼児教育)非常勤講師今野貴子先生

乳幼児音楽・音楽療法
今野貴子先生に聞きました

親子でふれあおう!幼児期の心と体を育てる音楽・リズム遊び

音楽とは“音”を“楽しむ”こと。親子で歌ったり奏でたりすることで音や音楽に意味が生まれます。小さいころからの音楽とのふれあいを通して「自分に自信を持てる子」を育てる「音楽の力」について今野貴子先生にお話を聞きました。

子どもが奏でた音を認めて自己肯定感を

国語や算数と比べると、つい後回しになってしまいがちな音楽ですが、子どもにとって音楽にはどんな効果があるのでしょうか。
「音や音楽を聴いたり歌ったりすることで脳が発達します。また楽器で音を出すことで手指の機能が発達し、リズムに合わせて全身を動かすことで運動機能が促進されるなど、音楽は乳幼児期の発達に欠かせない重要な要素です

そして、心の成長にも大きな影響があると今野先生。
音楽を含めた芸術は、自己肯定感を育むのに最適なんです。音楽には○も×もありません。どんな声でも歌い方でも奏で方でも、すべてOKなんです。ママやパパに『いいね、素敵だね!』と受け止めてもらうことで、自分の発するものには価値があるんだと感じられるようになります」
大好きなママやパパに認められることで「自分には価値があるんだ」「自分は愛されているんだ」という自己肯定感が生まれ、失敗してもまた頑張ろうと思えるようになります。小学校に入ってからも、自信を持ってものごとに前向きに取り組める子へと育ちます。

玩具や楽器を通して五感で音楽を感じよう!

音や音楽、ダンスなど各年齢に合う遊びはどんなものでしょうか。
「3歳までは音を全身で感じる時期。抱っこやひざの上で一緒に歌ったり体を動かすなど、必ずぬくもりとセットにして音楽とふれあいましょう」
玩具を選ぶなら、マラカスやタイコなど直感的に音の出し方が分かり、簡単に音が出るものがおすすめ。手や体への振動を通して全身で音を感じることができます。

3~4歳くらいは、興味関心が外(自分以外のもの)へと向かっていく時期。触る場所や触り方で音が変わる玩具を使って、音の変化を感じることもできるようになります。
「面白い音が出たときはママやパパが音の違いに気づき褒めてあげましょう。『新しいことをしてみよう!』という気持ちが生まれ、さらなる発展へとつながりますよ」

5~6歳くらいになると操作性の高い楽器も扱えるようになります。
「この時期に、小学校で使う鍵盤ハーモニカや木琴、タンバリンなどを与えるのもOK。ただし、決して評価をしないこと。楽器を楽しめていれば十分です」
また、いろいろな種類の音楽やダンスを見せて聞かせて、音楽の多様性を教えてあげることも大切です。

音楽に正解はなし!好きの気持ちを育んで

人生の岐路で「音楽に救われた」という経験をしたママやパパも多いのではないでしょうか。音楽好きな子どもになるための第一歩として、心がけることは何でしょうか?
「とにかく音楽を嫌いにさせないでください」と今野先生。
ママやパパが音痴だから歌わない、楽器が苦手だから挑戦しないのはやめましょう!保育士の方の中にも『声がきれいじゃないから歌わない』とおっしゃる方がいますが、それを子どもたちが見ていると『下手な人は歌っちゃいけないんだ。楽器は上手な人だけのものなんだ』という意識が芽生えてしまいます」

「自由な表現方法である音楽に評価をつけるのは親や教師など周りの大人たちです。大人の狭い世界で良し悪しのジャッジをして、音楽の世界を狭めないようにしてください」
音自体を丸ごと受け止め褒めてもらうことで、子どもは「音楽は楽しいもの、安心できるもの」として体感し、「音楽が好き!」の気持ちの土台となるのです。

東京藝術大学(音楽療法)非常勤講師/東京立正短期大学(幼児教育)非常勤講師今野貴子先生

今野貴子先生

東京藝術大学(音楽療法)非常勤講師/東京立正短期大学(幼児教育)非常勤講師

子どもの個性に寄り添いながら自己表現や発達全般を促す音楽活動の実践研究、幼稚園や保育園の音楽活動の指導のほか、「おとあそび♪音楽隊」リーダーとして教育委員会等主催で多くの親子コンサートの企画出演をしている。

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