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プログラミング
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
石戸奈々子教授に聞きました
昨年からいよいよ小学校でプログラミング教育がスタート。2021年度には中学校で拡充され、2022年度には⾼校で必修化になる予定です。そこで、ママ&パパが知っておきたい「プログラミング」について、専門家である石戸奈々子先生に教えてもらいました!
ママ&パパの子ども時代にはなかった「プログラミング」教育。小学校ではどんな授業がはじまるのでしょう。
「新しい教科が追加されたわけではないんです。算数や理科、国語、図工、音楽など今までの教科のなかにプログラミングが入ってきます」
たとえば、算数なら黒板を写すだけの受け身の授業ではなく、多角形を実際に書いてみようという能動的な学び方がプログラミングを活用した学習方法などだとか。なぜ今、必修化されたのでしょうか。
「現代社会では、生活のあらゆることがコンピューターに支えられていますよね。その基礎的なメカニズムを知ることは、これからの時代を生きていくにあたって必要な能力となります。プログラミングは、これからをよりよく生きるための基礎教養として、すべての人々に重要なんです」
「将来、理系の学問を学ばなければ必要ない?」「プログラミング言語を覚えなきゃいけない?」その答えはどちらもNG。
「プログラミング言語を習得することが目的ではありません。コンピューターや情報化社会について理解をすること、そして論理的・創造的に考える力を育むことが重要です。プログラミングは、課題を細分化し、順序立てて解を導き、コンピューターに対して過不足ない明確な表現で指示を出します。それは、趣味、仕事、勉強などあらゆる分野の問題解決に役立つと思います」
たとえば、料理で1時間のうちに3品しかつくれなかった人が、順番を組み立て、思考を整理することで同じ時間内に5品つくれるようになるかもしれません。このように効率的にものごとを進められる力は、理系や文系問わずあらゆる人々に役立つスキルとなります。
さらに、今まで細分化して学んできたいろいろな教科の学びを総合する力も身につきます。
「たとえば、テニスゲームのプログラムをつくりたいと思ったら、三角関数を学んで活用したり、図工の絵を描く力を使ったり…。今までバラバラに学んできたことを統合し、活用できるようになるのです」
プログラミング教育は未就学児でもはじめられます。とはいえ、最初の段階では大人のサポートが不可欠。まずは、ワクワクする環境を親がつくってあげましょう。
「入り口はなんでもOK。プログラミングを学ぶ絵本や玩具もたくさんありますし、Scratch(スクラッチ)やViscuit(ビスケット)、Springin'(スプリンギン)など、無料のプログラミング学習用のツールもあります。まずは、お子さまが興味を持つよう、試してみると良いかもしれません」
もし⼦どもが音楽を好きなら作曲をしたり、絵が得意なら自分で描いた絵を動かしてみたり、自分が好きなことを拡張するツールとしてパソコンやスマホを使ってみるのもよい方法だそう。直接パソコンなどを使わなくても、お釜で炊くごはんと炊飯器の違いなど、コンピューターが関わる日常について、親子で会話をするのもひとつのきっかけになります。
「子どもたちが大きくなるころには、なくなってしまう仕事もたくさんあります。子どもたちは、新しい仕事を生み出す世代です。プログラミングは創造・表現のツールです。ぜひそれを活用し、新しい価値を創造する力を育んで欲しいと思います」
どんな生活を送っても、コンピューターとは無縁ではいられません。プログラミングは、世代や職業などを問わず誰もが触れ続けるものになります。子どもに学ばせるだけではなく、ママ&パパも新しいものにチャレンジし続けながら、家族みんなで学んでいきましょう。
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授など
東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、NPO法人CANVAS、株式会社デジタルえほん、一般社団法人超教育協会等を設立、代表に就任。総務省情報通信審議委員など省庁の委員多数。『プログラミング教育ってなに?』(ジャムハウス)など著書多数。
http://creativekids.jp/